早稲田大学/文化構想学部の情報に詳しいので、文学部の偏差値について語らせていただきます。
早稲田大学/文化構想学部の偏差値
早稲田大学文化構想学部の偏差値は、一般個別入試で67.5となっていて、早稲田大学の文系学部の中ではちょうど中間から少し下位にかけての難易度であるといえます。
早稲田大学の文系学部と言えば、まず看板学部である「政治経済学部」の偏差値が70と他の追随を許さない圧倒的なレベルの高さですが、「教育学部」は65と少し入学しやすくなっています。
教育学部より若干難易度が上がるのが「文化構想学部」という印象です。文化構想学部は、入学していったい何を勉強する学部なのかが分からない、と言う受験生の意見も多くあります。
しかもキャンパスが早稲田大学のメインキャンパスである早稲田本部キャンパスではなく、少し離れた若干地味なイメージの戸山キャンパスにあります。なので、早稲田大学文系の元気の良さや華やかさを求める受験生には人気がないという側面もあるのです。そのため、他の文系学部より偏差値が上昇する可能性が少ないと思われます。
なお「文化構想学部」は一般個別入試の他に、英語4技能テストがあります。
- TEAPスコア280以上
- 実用英語技能検定(英検)準1級以上
- その他IELTS・TOEFL(iBT)のスコア基準
を満たしている受験生には英語試験が免除されます。国・社の2教科のみの受験が可能です。その場合は、偏差値も60前半に下がるので、英語4技能テストを事前に受けるという人にはぜひ狙っていってほしいところです。
早稲田大学/文化構想学部→入試教科別の出題傾向と偏差値をあげるポイント
英語
早稲田大学の英語入試は、日本語の記載が一切なく、設問も全て英語表記となっています。文化構想学部の英語長文は、主に、
- 海外の歴史的・地理的内容を含む主題や、
- 世界情勢や環境問題、社会的主題などを取り扱ったもの
がほとんどなので、英語の長文試験の内容的には予測しやすいと言えます。受験難易度としては、もちろん難解な部類ではありますが、法学部や商学部などの入試長文に比べると少し柔らかな感じがします。
特筆すべきなのは、大問5番に長文の英語要約という大変ユニークな問題がある点です。文章自体はあまり長くもないのですが、それを短めの文章で的確に要旨をとらえた要約文にまとめなければならないのは、かなり練習が必要とされるでしょう。
国語
文化構想学部の国語は、現代文のほかに古文・漢文が現代文と合わさった形式のいわゆる現古融合型が必ず出題されています。
現代文では「文化構想学部」志望の学生なら興味を持って読めるような文化論や言語学論なども多く、意外と取り組みやすいようです。ただ、問題数は少し多めに感じます。古文・漢文は、その直前にある現代文の内容を把握した上で解き進める形式になっています。
どちらかというと、文法や単語を問う問題ではなく、全体を俯瞰で見て出題意図を正確に把握することができているかが問われていると言えます。また、文学史に触れる設問も少しあります。
社会
文化構想学部と言うと、「地理」での受験も可能と思われる方も多いようですが、早稲田大学の場合は地理受験はなく、文化構想学部も例にもれず日本史か世界史のみの受験です。
「日本史」は、時代別というよりは貨幣の歴史や身分制度の歴史と言ったような『テーマ史学的』な出題形式が中心となっています。一部記述問題を含んでいるため、過去問での確認と練習が必須です。
「世界史」では、古代から現代まであらゆる時代と地域における出題があり、しかも日本史と同様に記述問題を含むため、世界史が得意な人にはとても向いていると言えます。問題数も多く、一見難しそうに見えますが、難易度的にはそれほど難解でもなく、早稲田大文系学部の中では比較的解きやすい問題が多いです。
早稲田大学/文化構想学部→偏差値UPの合格勉強法
英語
早稲田大学の英語入試の特徴である英文設問形式にまず慣れることが大切です。設問形式は毎回同様なので、設問でどういった内容が問われているのかをきちんと把握しておき、過去問をたくさん解いて慣れるようにしましょう。
また、選択肢問題の数がわりと多いので、速読力と同時に、消去法形式の解法も身につけておくと役立ちます。
大問5番の英文英語要約問題については個別対策する必要があります。過去問題を解く他にも、TEAPの練習問題や過去問に同様の英語要約問題があるので、そちらで練習するのも手だと思います。
国語
現代文では文化人類学や言語学関連のテーマ文の出題が多いです。なので、文化構想学部への進学を希望する方は特に入学後にも備えようという気持ちで、時間がある時に文化的な論説などに目を通しておくといいでしょう。
古文・漢文が現代文と合わさって出題される早稲田大学・独特の融合型問題については、必ず過去問で確認しておきましょう。早稲田大学の他学部の国語入試でもこの形式は採用されているので、文化構想学部の赤本に限らず、他学部の赤本も手に入れて練習するのがいいと思います。
社会
日本史は主にテーマ史型の出題となっているので、過去問で出題形式を把握して慣れたら、次はテーマ史型の練習問題集で繰り返し練習するといいでしょう。
出題される人名や出来事は平易なものから教科書内容を若干超えたものまで出ており、記述問題も少しあるため、教科書暗記だけではなく問題集をいくつかやり込むことも必要です。
世界史の出題は、時間軸と空間軸はかなり広範囲に渡っているものの、出題形式は特に難しくはないので、まず山川の教科書で一般的な知識になるべく漏れがないように学習することが大切です。
図説や地図を含めた出題などもあまりなく、事柄そのものの正確で単純な内容把握が問われているものが多いため、正確な内容が頭に入るように一問一答形式の問題集を利用して確認するのもいいと思います。
GMARCH/明治大学/上智大学との比較
早稲田大学の他の社会系学部や文学系学部のように、GMARCHに類似の学部がたくさんあるということはあまりないため、文化人類学的なテーマからの出題が多く見られる文化構想学部の入試対策は、基本的には赤本のやり込みが中心になります。
ただし、科目によっては明治大学の文系学部と類似の出題傾向もあるので、特に日本史や世界史に関しては明治大学/文系学部の赤本やGMARCH向けの問題集も有効です。
早稲田大学/文化構想学部の入試には英語4技能テストがあるということも注目すべき点の一つです。GMARCHや上智大学などとの併願を考えている人は、高校の出来るだけ早いうちから英語外部試験への取り組みを始めておき、高校3年生の夏ごろまでに十分なスコアを獲得できるようにするといいと思います。
早稲田大学/文化構想学部の共通テスト(センター試験)対策
早稲田大学/文化構想学部のセンター利用入試には、
- センター利用入試単独のもの、
- センター・一般入試併用型のもの
とがあります。早稲田大学の入試全体に言えることですが「センター利用」の場合の得点率はどの学部においてもかなり高く、文系学部の中では比較的入りやすいと言われているこの文化構想学部でも、9割以上の得点は必要です。
早稲田大学のセンター利用入試に出願する受験生は、多くの場合東大・京大の滑り止めとしての受験利用であることも考えられます。なので受験対策としては、さまざまな模試の過去問やセンター入試の過去問をとにかく数多くこなして、あらゆる項目を確認・暗記することが大切です。
センター入試突破の可能性があまり高くないと思われる方ならば、2月の一般入試の受験対策も必要となってくるので、高校2年までの間にある程度共通テスト(センター試験)で高得点につながるような勉強を十分にしておく必要があるでしょう。
早稲田大学/文化構想学部 の受験生へ!
最近の私立大学合格者数の大幅是正によって、早稲田大学の文化構想学部でもかなりの合格者数制限が実施されたので、以前よりは入り辛さを感じさせるものがあるかと思います。
ただし文化構想学部の場合は、MARCHに類似の学部がそうたくさんはないので、他の文系学部よりは受験生が殺到するという現象も起きづらいのです。偏差値や倍率激増ということも少ないはずです。
社会科学習が好きで文化や人類、世界のことに興味があるユニークな人が集まる学部でもあるので、その大学生活は高校時代にはないような面白い経験の連続が期待できます!