京都大学の内情をよく知っています。ご参考になれば嬉しいです。
京都大学・序列(ランキング)▶︎医学部が1位である理由
京都大学の世間からの評価1位の学部は、医学部です。医学部が序列1位の理由は2つあります。
理由① 入試によるイメージ
1つ目の理由は、まず入試によるイメージです。一般的に医学部は入学試験に課されるハードルが非常に高いことで知られています。
京都大学の医学部も、他の学部と比べると一つ頭が抜けて偏差値が高く、入学試験の要求水準は非常にハイレベル。
こうした事情から、「やっぱり医学部がトップだよね」という印象が、学外・学内を問わずあります。
理由② 医学研究のイメージ
2つ目の理由は、医学研究のイメージです。医学部というのは、医者になるための勉強だけでなく、医学の研究も行っています。
京都大学の医学研究は非常に研究水準が高く、一般にもその業績が知られています。
例えば、iPS細胞の研究でノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さんは、京都大学に所属しています。
そうした事実から、研究機関としても京大医学部はハイレベル、という印象を持たれています。
京都大学・序列(ランキング)▶︎理学部が2位である理由
京都大学で、世間からの評価2位の学部は、理学部です。
理学部が序列2位の理由のひとつは、ノーベル賞にあります。2019年現在、京都大学にゆかりのあるノーベル賞受賞者は実に10人にのぼります。
そのうちの半数が、理学部の関係者です。
具体名を挙げれば、中間子論の論文を発表して素粒子論の足がかりを作った湯川秀樹さんを筆頭に、
長多時間理論などの業績で知られる朝永振一郎さん、CP対称性の破れの由来を解き明かした益川敏英さんと小林誠さん、そして世界初の青色LEDに成功した赤崎勇さんの5人が、京都大学の理学部になんらかの形で関わっています。
当然、これだけで理学部の評価は高まります。
また、単なる目立った権威や名誉ということ以外に、理学部は研究者のぶ厚い層を育てているという実績もあります。
具体的には、理学部を卒業した卒業生のなんと8割が、大学院に進学しています。
ノーベル賞受賞者のような華々しく活躍する研究者が現れる背景には、こうして堅実に養成された無数の研究者たちが控えているため、全体としての評価も高いのです。
京都大学・序列(ランキング)▶︎文学部が3位である理由
京都大学で、世間からの評価3位の学部は文学部です。
文学部というのは一般的には「地味な学部」だと思われているかもしれません。ところが、京都大学の文学部は少し事情が違うのです。
その秘密は、かつて「京都学派」と呼ばれていたグループにあります。
京都学派というのは、戦前の京都大学で活躍していた西田幾多郎と田邊元という哲学者を中心とした、哲学者集団です。
哲学というと小難しいことをやっていて、それほど脚光を浴びないイメージがありますが、西田幾多郎や田邊元は世界的にも有名です。
海外の哲学史の教科書などでも、京都学派は「KyotoSchool」として掲載されているくらいです。
また、銀閣寺の近くに「哲学の道」と呼ばれる小道がありますが、これも西田幾多郎が歩いていたことに由来してつけられた名前です。
京都学派はそのくらいの影響力を持っていたのです。
そうした事情で、今でも「日本で哲学といえば京都大学ですよね」という意識が共有されており、京都大学の中でも哲学科のある文学部はそれなりに高い評価を受けているというわけです。
京都大学の特色ある学部▶︎総合人間学部(新しい序列)
序列(ランキング)の1〜3位には入っていないものの、特色ある学部のひとつに、「総合人間学部」という学部があります。
総合人間学部の特色は、多様な学問分野に対応できる柔軟な多様性にあります。
そもそも「総合人間学部」というのは他の大学ではあまり聞かない名前ですが、これは思想・社会・文化などの多様な角度から、人間を総合的に研究してゆくというコンセプトの学部です。
具体的には、
- 心理学や社会学の観点から研究を行う「人間科学系」、
- 認知科学の観点から研究を行う「認知情報学系」、
- 国際関係や歴史学的な観点から研究を行う「国際文明学系」、
- 比較文明論などの観点から研究を行う「文化環境学系」、
- 理系的な観点から研究を行う「自然科学系」
の5学系から構成されます。
これだけでも多様な分野の融合体であることが伺えますが、多様性があるのは学部内の構成だけではなく、入試にも表れています。
総合人間学部の入試は、文系でも理系でも受験することができるようになっているため、多様な興味関心の学生が集まるという点に特徴があります。
総合人間学部学部は今でこそ序列上位に食い込んではいませんが、こうした多様性重視という特色は、これからのグローバル化・多元化の時代、かなり強みとなる特色だと言えるでしょう。
京都大学はオススメの大学
これまで、現在の京都大学をベースに、世間の評価というテーマでの学部のランキングについて解説してきましたが、実はまだ触れていない重要なポイントがあります。
それは、京都大学のそれぞれの学部の持っている歴史です。
たとえば、京都大学の前身である京都帝国大学では、まず1897年に理工科大学が設置され、続いて1899年に医科大学が設置されます。
これがそれぞれのちに理学部・医学部となります。
つまり、理学部や医学部は京都大学で創立当初から重要な位置を占めていたことがわかるのです。
もちろん、世間の人々はこうした細かい歴史を知った上で学部に評価を下しているわけではありません。
しかし、歴史というのは姿形を変えて様々な文化に染み込み、潜在的には現在のありようを基礎づけているものですから、学部の評価という問題を語る上では外すことができません。
▼机に大学資料を置きながら勉強すると、やる気が上がります
▼いざ「受験しよう」と決意したときも願書提出に焦りません!
\期間中1000円分のプレゼントが貰える!/
学校案内や願書は無料で取り寄せる事ができます。早めに手元に置いて大学がどんな学生を求めているのか知ることは大事です。
特に小論文のある大学や書類の提出が多く要求される大学では、早めに大学の建学精神などをチェックしておきましょう。