新聞を読んでいるか、読んでいないか?そこが大きな分かれ道になります。
わたしが中学生と高校生に対して、学習指導を始めたのは、18歳のときでした。
以来20数年が経過しており、多くの教え子の皆さんと交流をすることが出来ており、みなさんの成長をみることが楽しみの一つとなってきています。
一人ひとりのお子さんの顔が、今でも思い浮かぶのですが、国語学習について特に印象に残っている生徒さんのお話しをします。
わたしが21歳の大学3年生のとき、二人の中学2年生の男の子を受け持ちました。
それぞれ別個に個別指導したのですが、二人とも公立中学校の成績評価は「3」。
国語の勉強は特にしておらず、何をしたらいいのかも良く分からないという状態だったのです。
読解力がなかった中学2年生
マンガ好きで週刊少年ジャンプが愛読書。特に本を読む習慣も無くてゲームが大好き。部活動にもそこそこに熱心だったのです(テニス部とサッカー部でした)。
彼らは性格も似ていて、二人とも、両親の言うことは聞かない傾向があったものの(反抗期という訳ではなかったのですが)、先生である私の言うことは「まあ仕方が無いかあ、、」という感じで聞いてくれている様子でした。
同時期に学習指導を始めた二人に対して、二人とも同じような成績であったこともあり、同じような学習指導を、同じペースで行っていたのです。彼らは二人とも、国語が苦手であり、国語の学力を上げるためには、読解力を向上させる必要性があった生徒さんでした。読解力さえ上がれば、他の教科の成績もグッと良くなるのに、、と強く感じながら学習指導していたことを今でもよく覚えています。
読解力がなかった二人に再会
あれから12、13年程経ち、彼ら夫々と再会する機会がありました。1人の男の子からは、嬉しいことに結婚式のお誘いを受けたのです。
結婚式直前にお家に招いてくれたので、ご両親と共にゆっくりお話しする機会を持てました。
もう1人の男の子とは、たまたま駅の改札口でばったり会い、カフェでコーヒーを飲む時間を持つことができたのです。
彼らは大人になっていたものの、私のことは相変わらず先生扱いしてくれて、懐かしい思いで思い出話をしながら楽しい時間を共有することが出来たのです。
二人は共に20代後半。真面目に働いている好青年。
一見変わるところが無いようにも思えたのですが、
しかし二人には違いがあったのです。
結婚式に招待してくれた男の子は、既に日本の弁護士資格を取得しており、今は外資企業の法務部で部長職に就いてました。生活にもユトリがある様子が伺われました。
もう一人の改札口で遭遇した男の子は、2浪の末なんとか大学に入学したのですが、就職活動でも一年浪人してしまったとのこと。頑張って中堅企業の営業職に就けたものの土日返上で働いているそうで。何だか大変そうな生活が伺われました。
二人の進路に違いが生じた原因は?⇒苦手な読解を克服
二人の人生を評価するつもりはありません。夫々に素晴らしい人生だと思います。
しかし、同じ学習環境にあって、同じような能力だった二人なのです。違いが生じた原因はいったい何だったのでしょう?
持って生まれた能力や資質のせいでしょうか?片方が一生懸命に努力して勉強をして、もう片方が努力を怠ったからなのでしょうか? 一人が向上心があり、もう一人が怠け者だったからなのでしょうか?
いいえ、違います。
私は、彼らの学習指導は高校3年生まで続けたのですが、二人とも勤勉な努力家。一生懸命に勉強を頑張る真面目な生徒さんたちだったのです。二人は共に向上心を持っていた。中学2年生の段階では、二人に能力的な差はどこにもなかったのです。
学習指導をしていた私の立場からすると、二人の違いは、
国語の勉強方法の違いだけでした。
ご両親の方針とその男の子が、国語の読解力を向上させるための勉強を「望んだのか」、「望まなかったのか」という違いだけだったのです。
母親と中学生の男の子が、中学生としての読解力の無さを自覚して、読解力を上げるトレーニングの必要性を認識したのが弁護士資格を取得した男の子。私と一緒に、高校生まで読解力を上げる勉強を続けた。それが弁護士資格を取得した方の生徒さんでした。
この頃、お母さんがお子さんの読解力不足を心配しており、何とかならないものかと悩んでいる状況であったところ、私が提案する勉強方法に同意してくれたのです。
この子は、読解力を身につけたおかげで、文字に書いてあることは、何事もすぐに内容を理解することができるようになりました。読解力をつけたばかりか、文章を書くことも得意になったのです。高校受験も大學受験も、すんなりとパスしました。
中学生、高校生、そしてご両親の皆さんにお伝えしたいと思って、お時間を頂戴している理由はこういう訳なのです。同じ努力をしているならば、努力が報いられた方がいい。その方が本人だって楽しいし。人生にも広がりが出てくるのですから。
読解力をつける勉強法は? | 苦手を克服
わたしが提案するのは、何も特別な勉強方法をする訳ではありません。
高価な授業料を払って、特別な専門塾に通う訳でもなく、
特別な教材を購入して、アマタにねじり鉢巻きをして頑張る訳でもありません。
日常生活の中で出来ることをするだけなのです。しかも、時間も手間も、費用だって係る訳ではないのです。
新聞を読むこと。
それだけです。
「なんだ。。そんなことか。。」と思っている方はいませんか?
そうです。そんなことだけなのです。
ただ、読む新聞は何か?、読む方法は?等については、気を使う必要があります。
読解力が身につく新聞は?
読む新聞は、皆さまご存知の通り、中学生と高校生の読解力を上げる為に良い素材と評判のある「朝日新聞」です。朝日新聞は、中高生の学力に適した学習素材なのです。
朝日新聞は読みやすい
なぜ朝日新聞なのでしょうか。他にも日経新聞とか、産経新聞とかいろいろあるではないですか?という疑問もわいてきます。
朝日新聞は、昔から、中学生と高校生が読むには良い新聞であるという評価が高いこともあり、国語の読解力を上げたいと考えている中高生たちが意識的に読んでいることが多い。
その点において、他の中高生に後れをとる可能性が低いことが挙げられます。
実際読んでみると分かりますが、他の新聞に比べて、ちょうど良いレベル。
日経新聞は記事内容が固いし、経済情報ばかり。中高生には読みにくいという側面があります。
一方、朝日新聞は全体的に読みやすい文章で書かれている。他紙と比べてもバランスの良さが目立つのです。
高校入試問題によく出る
高校受験や大学受験の入試問題として、取り上げられる記事の割合が多いのも、朝日新聞の特徴です。
とりわけ「天声人語」からの出題が多い。
だから「天声人語」を日ごろから読んでおけば、出題される可能性が高いということを読む理由とする人もいますが、私はそうは思いません。
同じ文章が出題されたところで、一度読んだことがあるからと言って解ける問題が出るわけではないのですから。
読んだことがある問題が出題される可能性だって非常に低いのです。
読解力が身に付く方法は?⇒朝日新聞「天声人語」
天声人語は、練り込まれた良文だから、という人もいます。私はそうは思いません。
天声人語の記事は読みにくい、ハッキリ言って悪文の範疇(はんちゅう)にはいる記事も多いのです。
天声人語には「600字という字数制限」があります。
無理矢理、文章を短く纏めようとしているから、読みにくいくなる。何を言っているのかが捉えきれない文章も少なくありません。
この点を捉えて、天声人語を読んでも仕方がない。天声人語で学習するべきではないと、他の学習方法を探し始める人がいるのですが、
勿体ない!
わたしは、残念でならないのです。
その人は大きな判断ミスをしてしまった。。
なんで天声人語で学習すると、読解力がつくのでしょうか?
なぜなら、読みにくい文章ほど、読解力をつけるトレーニングとしては最適なのです。
主語が分からない。接続詞は?行間を読まないと分からない等々。
読みにくい文章を読み込むときほど、読み解く為に、あらゆる力を結集させる必要があるのですから。
中学生が朝日新聞を読むと、苦手な読解力が上がる
朝日新聞は、購読後の一月目は、無料で購読できるので、試してみてください。実際に手に取ってみれば、わたしの言っているニュアンスも伝わることでしょう。
朝日新聞を購読し始めたからといって、いきなりお子さんが天声人語でバリバリと勉強を始めるわけではありません。物事には順序があります。大抵は以下の順序で新聞と天声人語学習に慣れていくのです。
朝日新聞に慣れる「ステップ1」
❶ 家の中に新聞紙が置いてある状態になれる。
❷ スポーツ欄やテレビ欄を読み始める。
❸ 徐々に興味を持ち、他のページの見出しだけを見始める。
朝日新聞に慣れる「ステップ2」
❹ そのうち、ネット上でも朝日新聞をチェックし始める。
❺ 体も頭も慣れた頃、勉強の必要性を感づき始めて、天声人語を読み始める。
❻ 難しくて挫折する。
朝日新聞に慣れる「ステップ3」
❼ 両親や先生(家庭教師や学校・塾など)の力を借りて、何とか続ける。
❽ 天声人語の問題なども解き始める
❾ 人によっては、更に「天声人語」の書き写しを頑張り始める。
ワタシがおススメするのは、朝日新聞の紙版とデジタル版の両方を読める状態にしておくこと。いつでも触れることが出来るような環境を整えることが大事なのです。
朝日新聞で読解力が上がる⇒学習意欲も上がる
朝日新聞には(特にデジタル版)、中学生と高校生の学習意欲を深める工夫がしてあります。
動画の他にも、中高生の興味をくすぐるような記事がたくさん掲載されているのです。英語学習の情報にしたってそうだし、中学・高校・大学の最新情報だってそう。受験情報だって盛り沢山なのです。
先ほどの教え子の二人については、冒頭でお話ししましたね。
彼らは中学校2年生の段階では、同じラインに立っていたのです。片方の人生が良くて、もう片方の人生が悪いということを言いたいのではありません。
二人は同じラインに立っていたのに、別々の過程を辿っている。なぜ二人の過程は異なってしまったのでしょう?
それは読解力です。
読解力を身につけるには、「朝日新聞を読むこと」が、最初の第一歩。
新聞を読もう!
頑張るお子さんとみんなは、大きな安心と力を得ることができます。
新聞を読むこと。そこが大きな分かれ道です。
しろくま塾長
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