発達障害の子供の勉強法について、経験を踏まえて書いています。
今回は学習障害(LD)のお子さん向けのお話です。
皆様のご参考になりますように。
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LDの子供は勉強はできないのか?できるのか?
LD、学習障害のある子どもや学習に何かしらの困難がある子どもは4.5%の割合でいると言われています。
つまり、教室に1人は学習困難の疑いのある子どもがいるということです。
教室の中では学習困難のある子どもに対して、特別な措置をしていない教員がほとんどです。
ほとんどの教師が「飲み込みが遅い」「やる気がない」と受け取ってしまい、子ども本人任せにしてしまいます。
しかし、本来学習障害は知的な遅れがなく、学習そのもの自体は飲み込みが普通なのです。
読字・書字・算数に対しての認識が苦手なだけであって、内容の理解はできます。
そのため、工夫をすれば学習についていくことができます。
例えば、「文字の認識が苦手」なタイプであれば、授業内容をICレコーダーで録音して、それを聞いて理解する。
「細かい文字」だとぐちゃぐちゃに見えて読めなくなるなら、大判型の教科書を取り寄せてそれを使う。
「算数が苦手」であれば電卓を使う。
もちろん、教室にいる他の子どもたちにも、一言理解を得なければいけません。学校側とよく相談の上、実施するとLDの子供も授業学習についていけるようになります。
LDの子供が勉強につまづく理由と対処法は?
LDの子どもが学習で躓く理由として、授業の内容が頭に入らないというのが大きいです。
先生の工夫次第で内容の理解はできるはずなのですが、先生が工夫しなかったら授業内容は一切入ってきません。
というよりも、授業内容が頭に入る前に「どうやって読むのか分からない」「お手本と同じように書けない、なんでだろう?」
という根本部分で躓くため、授業内容まで追いつかないというのが正解です。
まず、読字障害(読むことが苦手)の子どもの場合ですが、教科書を読むとぐるぐる回っているように見えたり、幾重にも重なって見えたりするようです。
そのため、教科書を大判型にして文字そのものを大きくする、1行だけ見えるようなスリットを用意する、タブレットが使えるなら読み上げアプリを利用して耳で理解する、ということが挙げられます。
次に、書字障害(書くことが苦手)の子どもの場合ですが、黒板の文字と同じように書けなかったり、同じように書こうとするために授業のスピードについていけなかったりすることが多いです。
そのため、大きなマス目のノートで書くようにする、タブレットのカメラ機能で黒板を写真に収める、レコーダーで音声録音をして耳で覚える、ということが挙げられます。また、書字障害がある子どものほとんどが読字障害も持ち合わせているので、組み合わせて対応するといいでしょう。
そして、算数の障害(計算が苦手)の子どもの場合ですが、その名の通り算数全般が苦手です。数の大小や図形の理解が難しいため、割と学習の初期段階で気づきます。
対応として、計算が苦手であれば電卓を使う、図形はパズルやブロックなどを使って手で触り目で見て理解する、自宅では下の学年の問題でも根気強くやる、お店ごっこなどでお金の計算を遊びながら学ぶなどが挙げられます。
工夫をする、というよりもいかに楽しく学ぶか?を考えると子どもにとっても苦では無くなるのかと思います。
LDの子供は、大人になったらどんな仕事が向いているのか?
LDの人は基本的にどの職業にも就くことができます。
ただし、面接時や入社時に自分の障害の特徴と、配慮してほしいことを自分の口から言わなければいけません。
そのため「自分は何が苦手で、どう工夫をすれば対応できるの?」かを知っておく必要があります。
「字を書くことが苦手」であれば、パソコンを使ってできる仕事だと助かりますよね。
「読みが苦手」でもパソコンで拡大して見ることができますし、色をつけたりして読みやすくすることはできますから、工夫ができます。資料等も事前に読み込んでおく場合は、読み上げアプリで読んでもらうことができるので、イヤホンをして耳から情報を入れることもできます。
データ処理などの仕事が入ってきた場合は、Excelをフル活用して表計算を楽にしましょう。計算をしなくても決められた式に当てはめていけば計算が勝手にできるので、式を覚えれば大丈夫です。「足し算をしたい時はこの順番にクリックとキーボードを押していく」というマニュアルをつくればさらにやりやすいですね。
また、作業などの文字や計算がほとんどない仕事を選ぶのもひとつの選択肢です。体力に自信があればこちらを選んでもいいでしょう。
LDの子供が勉強ができるようになる3つの方法は?
将来にいくつかの選択肢があるとはいえ、親としては勉強ができるようになってほしいものです。LDの子供は知能には問題がないので、学習内容そのものは理解できます。
つまり、親の工夫次第で勉強ができるようになるのです。そのために親がしてあげられることを3つ述べていきます。
①下の学年のドリルを根気強く見てあげる
たとえ中学生であっても「ひらがな」が思うように書けない子どももいます。その場合、当然ですが漢字なんて象形文字のように訳の分からないものに見えています。
漢字の学習も大切ですが、「ひらがな」の方がもっと大切です。小学生のドリルをひたすらやりこみましょう。
小学生のひらがなドリルはマス目が大きく、その中に細かいマス目もついていますので、バランスや場所を覚えながらしっかり書くことができます。
②インターネット教育教材でイラストが多いものを見せて勉強させる
文字認識が苦手であれば、イラストを使った教材を利用しましょう。文字ではなくイラストなので文字よりは認識が早くなることが見込まれます。
また、イラストを親が読み上げることで耳からの情報も入り、より認識しやすくなります。
インターネット教育教材はたくさんありますので、「中学二年生 社会 プリント」などと検索すれば色んなサイトが引っかかります。
③実生活に基づいた学習に付き合う
例えば算数が苦手な子どもであれば、買い物ごっこをするといいでしょう。
何度間違えても後ろがつっかえることはありませんし、恥ずかしさもありません。
また、実生活でキャッシュレスが進んでいるとはいえ、対応していないお店もまだまだありますし、チャージされていない場合などもあります。
実生活で必要な算数はごっこ遊びなどで楽しく学ぶといいでしょう。
LDの子供が家庭学習する際に気をつけることは?
学校の教室と違って、家庭学習の時間は気を抜いてリラックスしてできる唯一の時間です。
リラックスできる場所がとても窮屈で苦痛の場所になってしまうと、勉強に対してやる気を無くしてしまいます。
子供にストレスをかけることは出来るだけ避けたいですよね。そのために必要なことが2つあります。
①家庭学習はリビングでやらせる
「せっかくゆっくりできるのだから自室でやらせるのがいいだろう」と思うかもしれません。
しかし、自室にこもってしまうと、子供が勉強している姿が見れません。
また、初めは勉強するかもしれませんが、だんだん分からなくなってきてしまうと、学習放棄する可能性もあります。
学習放棄を防ぐにはリビング学習をさせる必要があります。リビング学習をすることで、勉強につまづいている様子が分かりますし、それに対して手助けをすることもできます。
子供も「見られている」というよりも「見てもらえている」という認識にすることで、リラックスして家庭学習に取り組めます。
②褒める
子供を褒めることは何よりも大切です。
特に学校では「なんでこんなに問題解くのが遅いのかしら」「なんで同じように書けないのかしら」と叱られたり呆れられてしまうことが多いため、自己肯定感は低いです。
そのため、家ではたくさん褒めてあげてください。
今まで苦手だった「書き取り」が間違わずに出来たり、「計算」が少し早く解けたり、「読み」が少しなめらかに読めたり、たくさん褒めるポイントはあります。
家でも叱られてしまうと無気力になってしまうため、どんなことでもいいのでほめるように、良いところを見つけるようにしましょう。
LDの子供が家庭学習教材を選ぶ時に気をつけることは?
LDの子どもが学習教材を選ぶ際は気をつけるポイントがたくさんあります。
しかし、それらをクリアすれば本人に合う勉強方法を見つけることができます。そのポイントをいくつかご紹介していきます。
①イラストが充実していること
イラストが充実している教材であれば、文字の認識が難しいため、イラストがたくさんある方が理解しやすいです。
低学年向けの教材なら多いでしょうが、学年が高くなるとイラストは少なくなってしまいます。
高学年でイラストが多いものを探すのは大変ですので、フリー画像を利用して、親御さん自身で組み合わせて、子供に提示するのもありです。
②音声再生があること
読み上げ機能があるととてもいいです。問題文が読めなくて内容自体は分かるのに解けないということがほとんどなので、問題文を読み上げてくれる機能がついていると大変助かりますよね。
また、テキストの内容も読み上げてくれるとなお内容が入ってくるでしょう。
読み上げ機能がなくとも、講師の授業を動画で見られるものがあれば、そちらを『耳で』聞くことで内容の理解に繋がります。
音声コンテンツがあるものを探してみてください。
③内容が簡潔になっていること
ダラダラと説明文が書いてある教材だと当然ですが読めません。
LDの子どもでなくても読む気が失せてしまいます。文字列が簡潔に終わっているものを選んでください。
全部が簡潔に書かれている教材はほとんどないので、どこかでポイントを絞って説明しているような教材を見つけると案外楽に見つかるでしょう。
もし、ポイント解説で不十分であれば、そこの追加説明を他のテキスト等を親が読み上げる手伝いをすることで補うことができます。
親の負担が増えてしまうかもしれませんが、子どもの勉強を手伝うことも親の仕事のひとつでもあります。根気強くお手伝いしてあげてください。
LDの子供には学習教材「すらら」がオススメ
「どのインターネット教育教材を使えばいいのか分からない」という方が多いでしょう。
実際にインターネット教育教材はたくさんあり、それぞれの個性があります。
その中で「すらら」という学習教材がありますが、これはとてもおすすめです。何がおすすめかと言うと
①対話型授業のため自分のペースで学習しやすい
すららは講師とマンツーマンで授業を行うことができます。
つまり、学校の授業で聞きにくかったり理解が追いつかなかったところを質問することができます。
また、自分のペースで学習ができるので、しっかり理解してから次に進むことができます。
マンツーマンのインターネット教育教材も他にありますが、大抵が授業を行っている動画の配信になるため、対話できる教材は少ないです。
その点、すららはリアルタイムでの対話型授業になるため、おすすめです。
②アニメーションの教材のため分かりやすい
すららは、教材がアニメーションで難しい文字の羅列ではないため分かりやすいです。
また、音声もついているため、音声を聞いて理解することもできます。文字の認識が苦手な子どもにはとてもありがたいですよね。
集中が続かない、飽きてしまうという子どもでも長く楽しく学習することができるので、継続にも繋がります。
③学年の壁を取り払っているため、苦手部分に取り組みやすい
すららは無学年方式を採用しています。学年の壁を取り払い、躓いたら下の学年に遡って授業を行います。
逆をいえば、理解の早い子供に対しては次の学年に進んで授業を受けることができます。
LDの子どもは低学年のうちから躓いている場合が多いため、遡って学習できるのはありがたいですね。
学校の授業ではここまでできないので、本人のスピードに合ったやり方を考えてくれます。
そのため、工夫をすることでその知能を生かすことができます。周りのみんなと同じように勉強するのには時間がかかります。
しかし、ゆっくりじっくり勉強していくことで出来ることも多いです。少しずつですが、その小さいことをほめる積み重ねをして二人三脚で歩んでいってください。
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家庭教師探しは大変ですが、資料請求することで子供に合う先生を探し出すことができます。
この機会に資料請求しておきましょう。